9月6日の、NHK「スタジオパークからこんにちは」で、
ゲストの由紀さおりさんが、「美しい日本語の歌を伝えたい」というお話の中で、
歌うときの鼻濁音の扱いについて、
また、メロディーと日本語アクセントの関係について、語っておられました。
今日はその中で、鼻濁音の部分について少し書いてみます。
由紀さおりさんは、滝廉太郎さん作詞の「花」を例に挙げて、
「すみだがわ」「ふなびとが」「ながれを…」などの「が」を鼻濁音で発音すると、
本来日本語が持つ たおやかな響きを より感じられる、滑らかで優しい響きになること、
そして同時に、イマドキの歌詞は、鼻濁音を使わずに歌われることが多く、
今の人たちは、鼻濁音を知らないんじゃないかと思う、といった話もされていました。
この件に関しては、私にも常日頃から持論があるので(笑)、
興味深く聞いていると、さすが世界の由紀さん!
鼻濁音を使わない歌を一概に否定するわけではなく、いろいろ分析されていました。
「日本語は頭にアクセントがあることが多いけど、今、それを後ろに感じて歌われることが多いから…」
「濁音で歌う方が、よりリズム感が強く伝わるんだと思う」
「西日本ではそもそも使われないことが多い」など。
ここ、まさにポイントなんです!
リズムがガッツンガッツンくる、いわゆる「後ノリ」の曲や、鋭く社会に切り込んでいくような歌詞の「ラップ」、ロックで「シャウト!」…
こんな時に、やわらかで優しく響く鼻濁音を使うのは、どうよ!?(笑)って話です。
逆効果にならないでしょうか?
また、例えば10代の若いアーティストさんが日常を歌うのに、普段全く使わない鼻濁音をいきなり歌にだけ取り入れたら、確かに柔らかく美しくはなるけれど、なんだかリアリティーが…??? そんな場合もあります。それこそ一概に言えませんが。
私自身が書いた楽曲でも、歌う際に「全く鼻濁音を使わない」こともあります。
「マユミさん、朗読の講師やってるとかいう割に、鼻濁音も(ついでに)無声化もできてないやん!」などと言われているかもしれません。でもこれ、、、
わざとですから!!!(笑)
と、言ってまわるわけにはまいりませんが、優しく見守ってね、みたいな…。(^_^;)
勿論、誰が正解とか不正解とかいうわけでは無い話だと思います。
ただひとつだけポイントがあるとすればそれは、
「知った上で選んでやっているのか、単なる無知か」ということだと思います。
知識があるに越したことはありませんよね。
この話は、「母音の無声化」や、イマドキの「平板化乱立アクセント」と作曲の際のメロディーやアクセントの持たせ方の関係なんかにもつながってきます。
今日のところはこの辺で。(^_^)
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